スパークプラグの「焼け型・冷え型」の違いとは?番手(熱価)の仕組みと失敗しない選び方を解説

カーメンテナンス

原付と排気量の大きな車では、使用されるスパークプラグの大きさや形状が異なることは、イメージしやすいでしょう。

しかし、スパークプラグの違いはそれだけではありません。実は、同じ形状のプラグでも「番手(熱価)」という種類があり、エンジンに合わせて適切なものが設定されています。

プラグ交換のためにネットショップやカー用品店で商品を見ていると、同じメーカーのプラグでも数字の違う製品が並んでいるのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。

「見た目は同じだから、取り付けできればどれでもいいのでは?」と思うかもしれませんが、実際はそうではありません。番手(熱価)が合っていないプラグを選ぶと、本来の性能を発揮できないだけでなく、エンジン不調の原因になることもあります。

この記事では、

  • スパークプラグの番手(熱価)とは?数字の意味を解説
  • 熱価が合っていないとどうなる?
  • 焼け型・冷え型とは?番手による違いを解説
  • スパークプラグの熱価はどう選ぶ?
  • まとめ

こちらで解説していきます。

スパークプラグの番手(熱価)とは?数字の意味を解説

スパークプラグには、「番手(熱価)」と呼ばれる数字が設定されています。

読み方はねっかですね。

この数字は、スパークプラグが燃焼によって受けた熱を、どれくらい逃がしやすいかを表す指標です。数字は性能の良し悪しを表しているのではなく、エンジンに適した熱の逃がしやすさを示しています。

プラグ交換の際に商品を見ると、同じメーカーでも数字の異なる製品が販売されています。例えば、NGKでは「6」「7」「8」、DENSOでは「16」「20」「22」のように数字で熱価を表しています。

ただし、この数字はメーカーごとに基準が異なるため、数字だけを見て他メーカーの製品と比較することはできません。例えば、NGKの「7」とDENSOの「7」を比較することには意味がなく、メーカーが異なる場合は適合表や対応表を確認する必要があります。

スパークプラグは、燃焼室内で適切な温度を保てるよう、エンジンごとに最適な熱価が指定されています。では、その熱価がエンジンに合っていないと、どのような影響があるのでしょうか。

熱価が合っていないとどうなる?

スパークプラグは火花を飛ばす部品ですが、実は火花を飛ばすだけでなく、自身の温度を適切に保つことも重要な役割です。

燃焼室では、燃料が燃えるたびにスパークプラグも高温になります。そのため、受けた熱をシリンダーヘッドへ逃がし、適切な温度を保たなければなりません。

では、なぜ適切な温度を保つ必要があるのでしょうか。

スパークプラグの温度が高くなりすぎると、火花を飛ばす前に混合気へ着火してしまう「異常燃焼(プレイグニッション)」が起こる原因になります。反対に、温度が低すぎると燃えカスであるカーボンが付着しやすくなり、火花が飛びにくくなることがあります。

このように、スパークプラグは高温すぎても低温すぎても正常に働けません。そのため、エンジンごとに適した熱価が設定されており、適切な温度を保てるようになっています。

もし熱価がエンジンに合っていないと、スパークプラグは本来の性能を発揮できません。では、熱価によって何が違うのでしょうか。次は「焼け型」と「冷え型」の違いについて解説します。

焼け型(低熱価)・冷え型(高熱価)とは?番手による違いを解説

項目焼け型(低熱価)冷え型(高熱価)
熱の逃がし方逃がしにくい逃がしやすい
プラグの温度上がりやすい上がりにくい
メリットカーボンが付着しにくい異常燃焼を防ぎやすい
デメリット異常燃焼を起こしやすいカーボンが付着しやすい

図を見ると、「低熱価なのに焼け型?」「高熱価なのに冷え型?」と、少し違和感を覚えた方もいるのではないでしょうか。

このように感じるのは、「熱価」という言葉から、温度や性能の高さをイメージしやすいためです。しかし、熱価が表しているのはプラグの温度ではなく、熱を逃がす能力です。

つまり、熱を逃がしにくいプラグは温度が上がりやすいため「焼け型(低熱価)」、反対に熱を逃がしやすいプラグは温度が上がりにくいため「冷え型(高熱価)」と呼ばれています。

一見すると逆のように感じますが、「熱価=熱を逃がす能力」と考えると、それぞれの呼び方の意味が理解しやすくなるでしょう。

スパークプラグの熱価はどう選ぶ?

スパークプラグの熱価は、基本的に車両メーカーが指定しているものを選びましょう。

現在の車は、エンジンの性能や冷却性能、燃料噴射や点火制御などを考慮して、最適な熱価のスパークプラグが指定されています。そのため、自己判断で熱価を変更しても性能が向上することはほとんどなく、かえってエンジン不調や異常燃焼などの原因になる場合があります。

一方で、キャブレター車や競技車両などでは、エンジンの仕様や走行条件に合わせて熱価を変更することがあります。しかし、これはプラグの焼け具合を確認しながら調整する専門的なセッティングであり、一般的な街乗りの車では基本的に行いません。

プラグ交換では、「性能が良さそうだから」「数字が大きいから」と熱価を変更するのではなく、純正指定または適合表に記載された熱価のスパークプラグを選ぶことが大切です。

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、スパークプラグの「焼け型・冷え型」の違いや、番手(熱価)の意味について解説しました。

記事の中でもお伝えしたように、熱価はプラグの性能を表す数字ではなく、「熱を逃がす能力」を表す指標です。そのため、高熱価だから性能が高い、低熱価だから性能が低いというわけではありません。

また、スパークプラグはエンジンごとに適した熱価が指定されているため、基本的には純正指定または適合表に記載された番手を選ぶことが大切です。

スパークプラグの熱価について少しでも参考になれば幸いです。

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